会報誌から独立!栄養士の資格を持つスタッフがお届けする「食コラム」です。
会報誌のアンケートから多くのご質問をいただいた「旬の食材」「トレーニングに関すること」「子供向けのこと、豆知識的なこと」の3つのテーマを軸に毎月更新していきます!どうぞお楽しみに!!


<Vol.2> 夏にも旬を迎える「ごぼう」
2024年5月号
冬だけじゃないごぼうの魅力…
<担当:三鷹スイム 古宮 (管理栄養士)>

三鷹スイムの古宮です。
5月号は旬の食材である「ごぼう」をテーマにしてお話させていただきます!

一般的にごぼうの旬は冬というイメージがありますが、「新ごぼう」と呼ばれるごぼうが春から初夏に旬を迎えます。「夏ごぼう」とも呼ばれます。
冬のごぼうと品種は同じですが、新ごぼうは完全に成長しきる前に収穫するのでやわらかくて香りもよく、アクが少ないのが特徴です。少し火を通すだけで食べられます。

ごぼうにはこんな栄養素が多く含まれています。
◆食物繊維
野菜の中でもトップクラスに食物繊維を含んでおり、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方をふくんでいます。
不溶性食物繊維は胃や腸で水分を大量に吸収して「かさ」を増し、便を柔らかくしてくれるので便通がよくなり、便秘解消につながります。
水溶性食物繊維は時間をかけて消化管の中を移動するため、糖質の消化吸収がゆっくり行われて食後の血糖値が急激に上昇するのを防いでくれます。胃腸の中に留まる時間が長いのでお腹が空きにくくなり、食べすぎ防止にも繋がります。
逆に消化に時間がかかるので寝る前には控えましょう。

◆オリゴ糖
オリゴ糖は腸内で善玉菌の餌になり、善玉菌を増やしてくれます。
善玉菌は悪玉菌増殖を抑制したり、消化吸収を助けたりと腸内を良好に保ってくれます。善玉菌は聞きなじみがないですが、代表例の乳酸菌やビフィズス菌は聞いたことがあるのではないでしょうか。

◆ポリフェノール
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸を多く含有しています。クロロゲン酸は細胞を若く保ち、老化を防いでくれます。
ちなみにごぼうの切り口が空気に触れると赤やピンク、茶色に変色するのはポリフェノールが原因なので、食べても全く問題ありません。安心してください。

~おいしく食べるコツ~
「まっすぐ」「太さが均等」「ひげ根が少ない」「傷やひび割れがなるべく少ない」
おいしいごぼうはこんな特徴があるので、選ぶときに少し注意してみましょう。
ごぼうは皮のすぐ下に「うまみ」や香りが詰まっていますので、皮は軽くこそげ落とすだけにするとGOOD!
旬で歯ごたえが良く美味しいごぼう、食卓に並べてみてはどうでしょうか。

「ごぼう」と言えばコレ!おいしそー!!
きんぴらごぼう
けんちん汁
炊き込みご飯

★番外編!おまけコラム
「食用は珍しい?」
ごぼうは世界各地に自然に生えていますが、食用として消費するのは数国しかありません。その中でも日本は食用消費量が世界で圧倒的1位です。
ほとんどの国では「ごぼうは木の根っこ」と考えられており、食べたとしても独特の香りや「えぐみ」が受け入れられない人が大多数です。 食べるものという認識でなく、薬として使われるのが世界では一般的です。

「実がマジックテープ?」
ごぼうの実はトゲが多く、服や家畜の動物にくっつくので海外では雑草として嫌われています。そのせいで「しつこくせがむ」という花言葉がつけられています。
中国では「悪実」という名で呼ばれており、どれだけ嫌われているかが伝わりますね。
しかし、人の役にもたっています。
実はくっつけたりベリベリはがしたりと便利なマジックテープは、ごぼうの実のトゲがヒントとなり作られています。靴や服に多く使用されているため、これはありがたいですね。
ごぼうの実

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